これまでに行って良かった、面白かった、盛り上がっている和楽器音楽のイベント/演奏会/コンサート/展示会などの訪問録「和楽器音楽が、集まる場所。」の第8回目です。
和楽器Jazz Workshop!とは?
Sera Creations主催のイベント。2019年11月に開催された第1回目に続き、今回は第2回目開催となります(ほうがくのわ協力事業です)。
今回は講師として篠笛の笛吹かなさん、尺八の小林鈴勘さんをお呼びしてパートごとに練習し、ピアニストのJacob Koller(ジェイコブ・コーラー)さんと一緒に課題曲「Fly Me To The Moon」のセッションに挑戦してみるという内容でした。
パート練習(尺八編)
私は尺八のパート練習に混ぜていただき、講習を受けました。
今回の参加者の方にはジャズ音楽の演奏は全く初めてという方もいらっしゃったので、スイングやコードについての簡単な説明も交えながら、課題曲を練習していきました。
ジャズ音楽には半音階も多く登場するので、尺八ではメリの多用が必須!ピッチ合わせに苦労しながらも難しいフレーズを重点的に練習しました。
スイングの最後の音(裏拍)にアクセントを置くとニューヨークジャズっぽく演奏できるといったワンポイントネタは、尺八だけでなくいろんな楽器にも応用できますね…!
和楽器・洋楽器でジャズのコラボセッション!
昼食を挟んで午後からは講師陣による本格的なジャズアレンジ生演奏を聴かせていただきました。篠笛、尺八、ピアノのコラボレーション、カッコいい…!!
全員参加型のワークショップ
ジャズってどんなイメージ?
今回は講師陣と受講者の全員参加による、対話をしながらの形でワークショップが進んでいったのが面白かったです。
「ジャズのイメージは?」という質問に対して、
・リズムが気持ちいい
・自由な発想を広げていく楽しさがある
・身体全体で吹く!
・アドリブで遊ぶ楽しさ
・アドリブで相手とのやりとりを楽しむ
と、いろいろな答えが出てきました。
特に、アドリブソロを回していく楽しさは、会話のようなものだと講師の小林さんがおっしゃっていました。相手が出してきたフレーズを繰り返したり、少しアレンジしたり、意表を突く返しをしたり。空白があっても良い。
そう考えると、確かに言葉で会話するみたいで面白い!
4バースを体験!
ジャズでは4小節や8小節ごとにソロを回していく「4バース」「8バース」といったものが曲の構成に入ることがあります。これを2人1組になって体験してみました。4小節演奏して相手に渡す、次の相手の4小節を聴いて次は自分が演奏する… というキャッチボールはまさに「会話」ですね。
ジャムセッションを体験!
続いて、講師陣・受講者全員でのジャムセッション体験。主題を演奏した後、全員でアドリブソロをぐるぐる回していきます。
この場でしか奏でられない音楽、ライブ感が楽しい…!
まずは「やってみる!」ジャズを楽しもう。
最後に、課題曲「Fly Me To The Moon」を全員でセッションして、今回のワークショップは終わり。
アドリブソロはいざ自分で演奏してみると、「自分が本当に正しい音を奏でているんだろうか…?」と不安になることがあります。
ジャズはコードが重要で、それに合った音を作らないと… という”ジャズは難しい”イメージがありました。
しかし、「ジャズには間違いはない。気持ち悪いと感じたら、すぐ別の音へ逃げれば良いんです。」という話を聞いて、尻込みせずまずはやってみる!楽しんでみる!ということが第一歩なんだなと感じました。
実際、ジャズを全く演奏したことがない参加者の方々も、全員それっぽくソロ繋ぎができていて、すごい…!と思ったのと同時に、会場全体に心地良い一体感を感じられました。
ジャズがますます好きになる、本当に楽しいワークショップでした!
(2020年2月23日開催)