当記事は、追記の記載がないものについては2011年7月現在の内容です。2020年5月更新。
iPadで和楽器!
Appleのタブレット型端末、iPad。愛用されている方も多いのではないでしょうか。実は、和楽器を疑似演奏するアプリや演奏活動に役立ちそうなアプリ、周辺機器などもたくさんあるんです。今回、そんなアプリ等を、片っ端から購入してみました! このページでは、それらのアプリや周辺機器を、使用レポートとして掲載していきます。 面白そうなツールを見つけて、あなたも「和楽器×iPad」、楽しんでみてはいかがでしょうか。
箏・尺八・三味線(三曲系)
iKoto HD
iKoto HDはiPadで箏を演奏できるアプリ。和楽器専門アプリの中では最高の出来と思っています。
スクイ、ピチカート、半押し・全押し・後押しと多彩な演奏技法が可能なのが特徴です。
美しいグラフィックスも素晴らしく、単なる静止画CGではなく、調絃を変えると琴柱が動きます。箏を上から見たり、斜め上から見たり…と角度も変えられるので、本物の箏を弾いているような気分になれますね。
さらに、演奏の録音や、midiファイルを読み込ませて自動演奏させることも可能。文句無しの、圧巻の多機能アプリです。
※iPad専用。iPhoneには対応しておりません。
iKoto
iKoto HDがiPad用なのに対して、iKotoはiPhone用。iPadでも使うことができますが、iPhoneの画面がそのまま表示されるだけとなります。
半押し、全押し、後押しが出来るのはiKoto HDと同じですが、スクイやピチカートはできないという違いがあります。
録音は可能、自動演奏はデモ曲のみで、midiファイルは使えません。iKoto HDを見てしまうと機能が少なく簡素に思えてしまうかもしれませんが、iPhoneの画面で楽しむには、こちらがオススメです。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
Koto Tunings
Koto Tunings(コト チューニングズ)は、同じ箏演奏アプリのiKoto系と比べると非常にシンプルな画面のつくりです。特殊な奏法も、ピチカートのみ。その他、奏法ではないが、連続音を出すことができます。
このアプリの面白いところは、プリセットされた豊富な調絃の種類!
例えば雲井系だけでも、雲井、半雲井、花雲井、片雲井、本雲井、二重雲井、雲井巾十、と7種類も。いろいろな調子の曲を演奏するなら、こちらがオススメです。[2017年7月更新]
※iPhone、iPad両方に対応
Red Koto
一見Koto Tuningsと色違いなだけ?? …のようにも見えますが、大きな違いがあります。それは、「調子」の種類です。
Koto Tuningsでプリセットされていたものは伝統的な日本の音階でしたが、こちらのRed Kotoで選択できる調子には、特定の曲を演奏するためにセッティングされた調子の他、Midnight、Treviso Skyなど、監修者オリジナルのものがあります。異国情緒あふれる、さまざまな調子で演奏を楽しむことができるアプリです。[2017年7月更新]
※iPhone、iPad両方に対応
箏のシミュレータ
絃に触れると箏の音が出るシンプルなアプリ。
調絃や詳細設定が変えられないのと、何の音が出るのか表記がない点が残念です(音が上がったり下がったり、不思議な音階です)。
箏は13絃のものが一般的ですが、なぜかこのアプリは12本しか絃がありませんでした。[2015年1月追加]
※iPhone、iPad両方に対応
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
i尺八
これは斬新なアプリ!!
なんと、マイク部分に息を吹きかけることによって音を鳴らすことができます(Auto Breath機能を使えば、息を吹きかけなくても音を鳴らすこともできます)。裏穴がないため運指は異なりますが、本物の尺八を吹いている気分になれるアプリです。
このアプリはiPadよりも、iPhoneで使うことをオススメします。iPadは画面が広いため、指がギリギリ届くか届かないか、のサイズなのです。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2017年7月確認]
三味線
その名の通り、三味線を演奏できるアプリ。白丸のところがツボなのですが、6箇所しかなく、どこのツボなのかが分かりません…。また、調子は本調子、二上り、三下りを選ぶことができますが、それぞれGCG、GDG、GCFと、何故かG調となっています。
このアプリも、iPadでは手のサイズを考えると扱うのがかなり厳しいです。iPhoneでの表示をおすすめします。
本格的に演奏するのは難しそうですが、手軽に三味線演奏の気分を味わうには良いかもしれません。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
kamigata-shamisen
上方三味線アプリ。三味線が上下2画面に分かれており、上部の棹でツボを押し、下部の胴の部分をスワイプすると音が出るしくみです。機械音ではなく、しっかりとした録音された音色が再生されますが、慣れるまでは操作が若干難しい印象です。[2017年7月追加]
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
津軽三味線
Samurai Beat 津軽三味線
津軽三味線を演奏するアプリ。振って音を出す「Shake Mode」と、タップして音を出す「Tap Mode」の2種類のモードがあります。演奏できる曲は、「よされ節」「じょんがら節」「おはら節」の3曲。残念ながら、iPadは「Shake Mode」に対応していないため、「Tap Mode」でしか遊ぶことができません。
注意しておきたいのは、”自由に演奏できない”点。振ったりタップしたりすることによって、自動的にメロディが流れるというアプリです。どんなに下手な人でも音を外すことはありませんが、少し物足りなさが残るかもしれませんね。
「Shake Mode」では、演奏後に4段階で評価がされます(平弟子、師範、名取、家元)。iPhoneをお持ちの方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
三線
i三線
i三線は、三線を演奏するアプリです。自由に演奏するモードの他、「安里屋ゆんた」「てぃんぐさぬ花」などいくつかの有名曲の楽譜・自動演奏モードも内臓されているため、それに沿って演奏することもできます。楽譜と対応して押さえるツボに色が付くので、三線初心者でも案外すんなりと弾けてしまうのが楽しいところ。
調弦を自由に変えたり、画面上の三線の位置、幅を変えたり、工工四・12音階の表記の切り替えができるなど、細かい設定も可能です。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
三線sanshin
こちらも三線を演奏するアプリです。先程ご紹介した「i三線」よりも、より詳細な設定変更が可能です。
リバーブ機能、コーラス機能で音の調整をしたり、そもそも音色も2種類から選ぶことができる点が面白い。楽譜や自動演奏機能は入っていませんが、音色にこだわるならこちらのアプリのほうがオススメです。
工工四の表記は消すことも可能です。こちらのほうが三線に慣れている人も楽しめるアプリですね。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
Sanshin HD
三線を演奏するアプリです。画面に表示されている三線の絃に触れると音が出るのですが、解放弦の音しか出ませんでした。ズーム機能を使って絃の部分を拡大することはできますが、音は変わりません。
特徴としては、メトロノームの音が出る点が挙げられますが、テンポの変更ができないため用途がかなり限られます。
※iPad専用。iPhoneには対応しておりません。
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
Sanshin Tuner
Sanshin Tuner(サンシン チューナー)は三線を調弦するためのアプリ。本調子、一揚調子、二揚調子、一二揚調子、三下げ調子の5種類の調子の解放弦の音を鳴らすことができます。
機能としてはただそれだけ、とてもシンプルなアプリです。値段は無料なので、気軽にダウンロードして使うことができます。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
打ち物/囃子
和太鼓
2種類の太鼓を演奏することができるアプリ。iPhoneやiPadに入っている曲を流しながら、それに合わせて演奏することもできます。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
太鼓魂
iPadの画面いっぱいに表示される迫力のある太鼓。太鼓は4種類の中から選べ、グラフィック・音ともに違いを楽しめます。縁も叩くことができ、叩く場所によって音も変わるというこだわりあります。
プレイモードには「シングル」(太鼓1つ)と「ダブル」(太鼓2つ)があり、違う2種類の太鼓の組み合わせで演奏を楽しむこともできます。また、iPadに入っている音楽をかけながらの演奏も可能です。
※iPad専用。iPhoneには対応しておりません。
※ここでは取り上げていませんが、iPhone版アプリ「太鼓魂+ for iPhone」も提供されています。
TAIKO PAD
これは値段の割になかなか楽しめるアプリです。太鼓の種類も4種類あり、かけ声や連続打音も出すことができます。音もなかなか良い印象でした。
サンプルの演奏を流すことができるので、それに合わせたり、聴いて真似をしたりして演奏するのも楽しいですね。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
和TAIKO
シンプルな太鼓演奏アプリ。出せる音は3種類のみで、1本指で弱音、2本指で強音、そして縁を叩く音を出すことができます。
音は本物の太鼓の音とはかけ離れた印象でした。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
i太鼓
i太鼓は太鼓を演奏するアプリ…と思いきや、他の太鼓アプリとは違った、一風変わったアプリでした。
このアプリでは、日本全国の祭りやイベントでの太鼓演奏の写真・動画を見ることができます。その他、wikipediaへのリンクがあり関連用語をすぐに調べられたり、Twitterで太鼓に関するツイートを表示するなど、様々な太鼓の情報を瞬時に取得できるというものです。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
TSUZUMIN
鼓演奏のアプリです。
ホヲ〜〜〜〜ッ!ポンッ!という感じで、
5種類あるかけ声のボタンをタップした後に、タイミング良く鼓を鳴らすとそれっぽく聴こえます。できることは単純にそれだけなのだが、楽しいアプリでした。無料なので、気軽にダウンロードすることができます。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
忍者音(ニンジャサウンド)
刀がシャキーン!とぶつかり合う音、人をザクッと切った音、手裏剣の音など、まさに忍者サウンドが楽しめるアプリ。
和楽器の音も入っており、鼓、太鼓、拍子木、鐘、木魚の5種類の音を楽しめる。iPadではタップ、iPhoneではタップまたは本体を振ることで音が出る。
iPadに入っている音楽を流しながら、これらの音を効果音として織り交ぜて演奏することができる。
※iPhone、iPad両方に対応
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
Ohayashi Sensei
和太鼓、大鼓、小鼓、能管を体験できるアプリ。打楽器系は左側の掛け声ボタンを押してから打つという流れです。また、能管はたくさんの吹き方サンプルから選んで音を出すことができ、本格的なお囃子気分が味わえるのも特徴。各楽器の詳しい解説付き!流れてくるアイコンに合わせて演奏するゲームモードも楽しいアプリです。[2017年7月追加]
iPad専用。iPhoneユーザーの方は、以下のOhayashi Sensei Pocketを。
和楽器ユニット
和楽器オーケストラ AUN J
和楽器グループ「AUN J-Classic Orchestra」のプロモーションアプリ。
伴奏となる音を流しながら、それに音を被せて演奏ができる内容です。
面白いのは、楽器だけではなくてメンバーにフォーカスしているところ。演奏曲を選んだ後、プレイヤー(実際のグループメンバー)を選びます。選んだメンバーになりきって箏、十七絃、尺八、三味線、篠笛、和太鼓、鳴り物を演奏できるのが特徴です。
メンバーが思い思いにいろんなポーズ(なんとジャンプしたり倒立したり…!)で演奏しているシーンを見られるのもポイントです![2015年1月追加]
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
その他
電奏
電奏と書いて「でんがな」と読む、調子笛アプリ!開発は大阪邦楽器商組合。
箏用と三味線用がありますが、違いは表記とHz。箏用(そうでんがな)は442Hzで壱越、断金、平調…の表記。三味線(さいでんがな)は440Hzで1、2、3…の表記となっています。微分音も出すことが可能です。
※iPhone、iPad両方に対応
GarageBand
GarageBandは、言わずと知れたMacOSに標準添付のDTMソフト。iPhone、iPad版も登場しました。
とにかくこのアプリは多機能です。ピアノ、ギター、ベース、ドラムなどが手軽に演奏できるだけでなく、エレキ楽器を繋げるとアンプになったり、もちろん作曲やレコーディングもできます。自動でリズムを作成してくれたり、コードの和音が出せたりするので、音楽の知識がなくてもプロのミュージシャン気分を味わえる楽しさがありますね。
追加データをダウンロードすることで箏や和太鼓の演奏も楽しむことができ、大変使い勝手が良いのでオススメしたいアプリです。[2017年7月更新]
※iPhone、iPad両方に対応
Metronome Pro
数あるメトロノームアプリの中で、私が使用していたのがこのMetronome Pro。
本物のメトロノームのように針が左右に動き、テンポを変える時はおもりを上下に動かします。拍子に合わせて小節の頭の音を変えられるのも、本物のメトロノームと同じですね。音は、5種類の中から選ぶことができます。
便利なのが、「BPM測定」機能。流れている曲のテンポに合わせてタップすると、その曲のテンポを測ってくれます。自分の演奏が早すぎないか遅すぎないか、チェックするのにも使える機能です。
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
※現在、iTunes Storeから新規にダウンロードできなくなっています。[2019年1月確認]
Tuna Pitch chromatic tuner
しまった!練習にチューナーを忘れてきてしまった!という時には、このアプリ。クロマティックチューナー&ピッチバイブアプリです。
非常に感度も良くて、かなり使えるアプリ。いざ!という時のために、お手持ちのiPhoneやiPadの中に…いかがでしょうか?
※iPhoneに対応(iPadでは拡大表示可)
楽譜カメラ
これは画期的なアプリ! 内臓のカメラで楽譜(五線譜)を撮影すると、音符を認識して、自動で演奏してくれるというものです。
早速試してみたが、これがなかなか難しい。上手く認識してくれなかったり、ズレが生じたり。そんな場合は、手動で補正をかけることはできる機能もあります。
画期的でとても面白いですが、まだ実用性には少し欠けるかな…という印象でした。サッと曲の雰囲気を知りたい時などに使えるかもしれないアプリです。
※iPhone、iPad両方に対応
AirTurnとPiascoreで楽譜めくり
手を使わずに楽譜をめくることができたら、どんなに楽だろうか…。 iPadがあればそれが簡単に実現してしまいます。
まず必要なのが、このAirTurn。iPad用のフットペダルです。
接続はBluetooth接続なので、難しい設定は不要でiPadとは無線で簡単に接続できます。
ペダルを準備したその次に準備するのは、楽譜を表示させるアプリ。このAirTurnに対応しているアプリは数種類ありますが、その中でオススメするのがPiascore。
このアプリは、PDFを表示させることができるアプリ。楽譜をスキャンし、PDF化してiPadに転送すればこのアプリで表示できます。そして、足でAirTurnのペダルを踏めば、自動でPDFのページをめくる(進む/戻る)ことができる、というシステムです。
また、このアプリの良いところは、書き込みができるという点。紙の楽譜に書き込むのと同じ要領で、画面上の楽譜に簡単に書き込んだり消したりできます。
AirTurnについては「AirTurn」シリーズ紹介サイトをご参照ください。
Piascoreの使い方についての詳細は、別ページ「電子楽譜アプリのススメ 〜Piascore紹介〜」にて紹介しているので、こちらをご参照ください。
※ 使用している画面サンプルは、全て個人所有のiPadの画面をキャプチャしたものです。環境によっては異なって表示される場合がございます。
※ アプリをダウンロードされる際には、お使いの機器・OSへの対応を必ず確認をしてください。